昭和史 1926-1945



昭和史 1926-1945
昭和史 1926-1945

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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単純に読みやすく、面白い。

ストレートなタイトル通り、昭和の通史です。前後二冊に分かれていて、本書は1926?1945。
著者が行った講義を元にして作られているので、文章が口語体であり、非常に読みやすいです。

学校の歴史の授業では昭和史(特に戦後史)はなかなか深く学ぶことはできない人が多かったのではないかと思いますが、昭和史を一通り学びたいのであれば本書ともう一冊の戦後編(1945?1989)で十分だと思います(合わせて1100ページ近くのボリューム)。

他のレビュアーの方々が書かれている通り、確かに本書のところどころでは人物や出来事に対して著者の偏った判断や評価が表れていますが、それらを真に受けるかどうかは読者それぞれ自己判断で良いのではないかと思います。ちょっと偏ってるなあと感じるところは「こんな考えもあるんだ」と判断を保留しておけばそれで良いのではないかと。
何しろ本当に読みやすいので、(著者の評価・判断を除いて)事実をさらうにはうってつけの本だと思います。面白く読めました。
戦争を軍部の独走で片付けている本

著者は阿川弘之などとともに日本帝国海軍の小説的手法による美化宣伝の名手である。
著者は海軍好きで米内光正や山本五十六を讃美しているが、海軍が犯した大罪は陸軍の比ではない。今後日本史において海軍は永遠に糾弾されて行かなければならないはずである。

彼によれば、日中戦争や太平洋戦争の勃発はひとえに軍部(陸軍)の独走ということになる。が、これは正しくない。日本がただ時勢という濁流に呑まれて戦争に突入し敗戦となったとでもいうのだろうか?日本は軍部がクーデターを起こして独裁になったわけでもなく、ナチスやソ連のように一党独裁であったわけでもなかった。終戦まぎわに近衛文麿が大政翼賛会を組織するまでは。

しかしいずれにせよ、当時の陸軍や海軍には国民をあれほどの大戦争に巻き込むだけの腹も指導性もなかったのであり、あの戦争にはある強烈な意思を持って戦争に持っていこうとする勢力があったのである。それが当時の首相近衛を中心とする共産主義グループである。彼らはスターリンに忠誠を誓った仲間なのだった。

尾崎秀実は単なるスパイとは違う。ソ連を祖国としレーニンの思想に心酔した鉄の意志をもつ謀略家だったのだ。尾崎は謀略の限りを尽くして日本を焦土と化しソ連を守ろうとした。むろん尾崎秀実も近衛首相の側近中の側近であった。尾崎は終戦間際に国際スパイとして処刑されが、それは氷山の一角でしかなかったのである。

そもそも太平洋戦争の主役は東条英機などではなく、共産主義者であった近衛文麿である。これは一般のイメージとは違っているが。この本には視点の違いということを割り引いても一読の価値がないばかりか、間違った歴史観を植え付けるという意味で有害ですらある。
↓参考
大東亜戦争とスターリンの謀略―戦争と共産主義 (自由選書)
大東亜戦争と「開戦責任」―近衛文麿と山本五十六
あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書 (新潮新書)
山本五十六 (上巻) (新潮文庫)

半藤氏の寺子屋「昭和史講座」

司馬遼太郎亡き後、昭和戦前史に関する論客のなかでも(一方の)筆頭格となった観のある半藤氏。その半藤氏が書く本書は、張作霖爆殺事件あたりから太平洋戦争終戦までの約20年(たったの!)について、特に政府と軍部に焦点を当てた内容となっています(よって、文化史などはほとんど出てきません)。
あとがきによれば、本書は(編集者への?)昭和史講座を収録したもので、文体も話し言葉になっています。そのせいか、客観的事実の伝承というよりは半藤氏の持論(歴史観)を伝えることが色濃く出ていて、人によっては嫌悪感を持つかもしれません。私もどちらかといえば半藤氏の歴史観に近いと思っていますが、その私でも違和感をもつ表現などがあり…(例えば、一次資料から引用したと思われる発言内容を乱暴に話し言葉にアレンジしている点とか、気になります)。
ただ、内容的には、戦前戦中のターニングポイントとなる事件、事象はほぼ取り上げられていて、昭和史の大まかな流れをつかむ読み物としては上出来といえるでしょう。
まぁ、この時期を取り上げた著作は、著者のみぎひだりのイデオロギーや国家観、歴史観がそのまま反映される内容の書物が多く、読み手にとっても好き嫌いがでるのはやむをえないように思います。そういう意味では、この本はあくまでも「半藤版の昭和史」と位置づけられるものであり、客観的に歴史を学びたい方は、いろいろな考え方の著作を幅広く読むべきでしょう。
これを読んで昭和を知った気になってはいけません

半藤氏は昭和史の大家、さらに文藝春秋出身(専務取締役まで務めた)という経歴から、保守派の論客と認識されていますがとんでもない。この本を読めばそのことがわかるでしょう。細かいデータが目白押しで大まかな歴史の展開がわからない、木を見て森を見ない語り、何度も左側の耳から聞こえてきたことと同じことを繰り返すだけの押しつけがましいお説教、もう飽き飽きです。今どきそんなこと信じる人いません。真実が明らかになることやそれが広がることが不愉快極まりないのでしょうね、この御仁は。こんなのがなんで賞をとれるのかわかりません。
真剣に昭和史を学びたい方には、渡部昇一の「渡部昇一の昭和史」「日本史から見た日本人 昭和編」及び黄文雄の一連の著作をお薦めします。
それと、レビューの中に、この本を新しい歴史教科書の昭和版と書いてあるものがありましたが、まず教科書ですから昭和の記述はあるでしょう、そりゃ(笑)レビュアーの中には、ろくに歴史も知らず、この左翼的主張に溢れた本書を、親米保守と読み違えてしまうイタイ方がいらっしゃるみたいですね。
エピソードの積み重ねで昭和戦前期の空気を描く

 本書は敗戦までの昭和戦前期の歴史を、豊富なエピソードを用いて長所や短所を持つ生身の人間の活動の総体として描いていく。大事件の前には必ずその前兆としての小事件があると語る著者は、昭和8年の「ゴーストップ事件」など、あまり知られていないが興味深いエピソードをたくさん積み重ねて、当時の社会の雰囲気をうまく伝えている。

 日露戦争の結果獲得した満州の権益や、国内外の様々な政治・経済状況の変化が複雑に絡み合って、次第に日本社会の中に好戦的なムードが広がっていった様子がよく伝わってきた。また本書は、会話体の読みやすい文章で気軽に読めるので、今の日本人が学校ではあまり教えてもらえない昭和史の参考書として最適だと思った。



平凡社
昭和史 〈戦後篇〉 1945-1989
ドキュメント太平洋戦争への道―「昭和史の転回点」はどこにあったか (PHP文庫)
「昭和」を振り回した6人の男たち (小学館文庫)
ノモンハンの夏 (文春文庫)
決定版 日本のいちばん長い日 (文春文庫)




昭和の三傑―憲法九条は「救国のトリック」だった

昭和の動乱〈下〉 (中公文庫BIBLIO20世紀)

昭和の動乱〈上〉 (中公文庫BIBLIO20世紀)

昭和レトロ博物館

昭和史 (岩波新書)

昭和史 〈戦後篇〉 1945-1989

昭和史 1926-1945

昭和史 忘れ得ぬ証言者たち (講談社文庫)

昭和史20の争点―日本人の常識 (文春文庫)

昭和史からの警告―戦争への道を阻め




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